だれを喜ばせたいのか?

2022年5月8日(日) 第ニ主日礼拝

宣教者 岡村直子牧師

マルコによる福音書 6章14〜29節

今日の聖書の内容は、この箇所を読んだ芸術家たちに様々な創作意欲をかき立てた残酷な事件を描いています。バプテスマのヨハネと呼ばれ、最後者とも呼ばれたヨハネが、時の権力者によって惨殺される出来事が起こりました。バプテスマのヨハネが政府に捕えられた後に、主イエスは公に神の国を伝える活動をはじめます。しかもヨハネを殺した王がいるその地で。
自分の思い通りにならない時に力を利用して邪魔な者を亡き者にしてしまう人々、特定の人々への体面を何よりも第一とする人々が、暴力や権力を用いて殺人を行うことを正当化してしまう弱さが描かれています。ミャンマーの国軍による自国民迫害やロシアのウクライナ侵略戦争もその根は同じでしょう。
聖書は旧約聖書の冒頭から、兄弟であるのに兄が弟を嫉妬のために殺してしまうという事件を記しています。カインとアベル兄弟です。悲しいけれどもそれが人間の本質を表しているのかもしれません。なまじ権力をもつことで欲望がむき出しになります。イエスが同胞のユダヤ人の嫉妬の故に十字架につけられて、最も残酷な刑で殺されたこととつながります。しかし、残酷さや非情さを超えて、神はイエス・キリストによって、喜びを人々に与えて下さっています。教会はその喜びをいただいている存在として活動しています。
「主を喜び祝うことこそあなたがたの力の源である。」(ネヘミヤ記8章10節)
今日は母の日となっていますが、時代が変わり母親のイメージも大分変りました。ヘロデ王と非合法的な結婚をしたヘロディアを母に持ったその娘は、どう生きていくのでしょうか。イエス・キリストにより、この世の最高の愛を知った私たちです。悔い改めつつ御言葉に聞いて、深い所で消えない喜びをもって共に励まし合って生きていきたいと思います。

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