1月21日(日) 第三主日「20才の春感謝」合同礼拝
宣教者 高見龍介牧師
ヨハネによる福音書 15章5節
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【今日のメッセージ】
フランスの画家ジャン・フランソワ・ミレーとテオドール・ルソーとの間には、こんな逸話があります。「晩鐘」とか「落穂拾い」などで不朽の名作を残した有名なミレーも、「接木をする男」を描いた頃はまだ無名でした。アトリエのストーブに燃やす薪もなければ、彼も妻子も飢えと寒さで震えていました。
そんな頃、めきめきと売り出していたルソーが、ミレーの家を訪ねてきました。そして、そこにかけてあったいくつかの画の中で「接木をする男」に目をつけ、「これは世界的な名画だ。実は僕の知人で君の絵を欲しいという男がいる。選択は僕にまかされているんだが、この絵は本当に気に入った。これをゆずってくれないか」とミレーに話しかけたのです。「ああ、いいとも。よかったら持って行ってくれ」とミレーは惜し気もなく承諾しました。「ところで、代金だがね、いくら入っているか知らないんだ。しかし、僕に免じて入っているだけにしてくれないか」。ルソーの頼みを快く引き受けたミレーが、ルソーの帰ったあとで、彼から受け取った封筒を開けてみると、中から500フラン(現在のお金で約70万円)が出てきました。ミレー一家は、それによって久しぶりに喜びにあふれたということです。ところがそれから数年後、ミレーがルソー宅を訪ねた時、居間の壁に「接木する男」の絵がかかっているのを見て、はじめてルソーの友情を知ったというのです。ルソーは友の貧苦を見るに見かねて、かといって友に心苦しい思いをさせたくなかったのです。それで架空の人物に託して、ミレーの絵を買い取ったというわけですが、何と心温まる美しい話ではありませんか。
世には友らしい見せかけの友がある。しかし、真の友とは、ミレーに対するルソーのように、逆境に身をおくときにこそ、力となってくれる友でしょう。
(正木 茂著「この日この朝」より)
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【聖書から】
15:5 わたしはぶどうの木、あなたがたはその枝である。人がわたしにつながっており、わたしもその人につながっていれば、その人は豊かに実を結ぶ。わたしを離れては、あなたがたは何もできないからである。