子どもに学ぶ神の国

2023年10月1日(日) 第一主日礼拝

宣教者 岡村直子先生

マルコによる福音書 10章13~16節

今日読む聖書の中で、主イエスは言われます。「はっきり言っておく。子供のように神の国を受け入れる人でなければ、決してそこに入ることはできない。」(10:15)
主イエスが公に伝道活動をなさる始めに、「時は満ち、神の国は近づいた。悔い改めて福音を信じなさい」(1:15)と言われました。神の国とは、どんな国でしょうか。
神の国とは、神が王として恵みと力とをもって支配される国、というより状態です。戦争は無く、神の愛と平和のうちに正義が行われる世界でしょう。モーセの律法をしっかり守っている人々が神の国に入れると思われていましたが、イエスはそのような認識を覆すようなことをおっしゃったのです。律法を遵守することができない人々や、最初から人間として数えてもらえない人々へ、イエスの慈しみは注がれます。子どもたちというと、私たちの教会と共にあるこひつじ幼稚園の元気で溌剌としたこどもたちのことをイメージしますが、当時も今も、世界の子どもたちの状況は同じではありません。ユダヤ教の教えによって、ユダヤ教信者の子どもたちは神から授かった宝として、しっかり律法を学ぶ教育もされていましたが、周辺世界では子供を捨てたり、売って奴隷として働かせたり、殺したりして軽んじる社会が多くありました。現在でも子どもに対する悲しい現実は様々にあります。悲惨なことは見たくない、知らないでいたい、と思う人々もいるでしょう。しかし主イエスは周辺に追いやられているような弱者をお忘れになることはありませんでした。イエスは子どものように神の国を受け入れることの大切さを言われますが、子どもを決して天使のように美化してみておられるわけではないでしょう。子どものどのようなところを主イエスは神の国にふさわしい、とされるのでしょうか? それには満たない私たちをどうか、主が憐れみ、導き、祝福してくださいますように。

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