偽善からの解放

2022年9月11日(日) 第二主日礼拝

宣教者 岡村直子牧師

マルコによる福音書 7章1~13節

「偽善者!」と言われたらショックです。今日読んでいただく個所では、イエスがエルサレムの宗教界のリーダーである律法学者やファリサイ派の人々に対して、「偽善者」と面と向かって言って批判しています。彼らは当時のユダヤ人社会を動かしていた宗教的な権力者ですから、普通なら尊敬の言葉を受けるのが当たり前でした。彼らはイエスの評判を聞いてエルサレムから出かけて来たのです。それは、査察のためでした。間違っていることが神の名において行われているのなら正さなければならないと思って来たのです。彼らはイエスの弟子たちが言い伝えの習慣を守っていないことを見つけて、鬼の首でもとったようにイエスを批判しました。ところが、イエスは彼らに対して「あなたがた偽善者」(6節)とはっきり断じて逆に彼らを批判しました。偽善者という言葉は、元々は舞台俳優を意味する言葉で、実態を隠して仮面をかぶって演じている人のことです。イエスは誰もがよく知っている聖書の預言者イザヤやモーセの十戒の言葉を引用しながらその偽善性を指摘します。「あなたたちは、受け継いだ言い伝えで神の言葉を無にしている。」(13節) 神の教えではない、人間が作り上げたことをもっともらしく後生大事にして、肝心な律法の心が見失われていることをイエスは批判されるのです。私たちも、ファリサイ派や律法学者と同じようなことをしがちな者であることを知っています。自分を飾ることなく、神にそのままの自分の心を受入れていただきたいと願います。しかし、もし自分の間違いに気がついた時には、それを認めて悔い改める者でありたいです。イエス・キリストをとおして神の恵みを知り、罪赦されたものにしてくださっているのですから。

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