復讐してはならない

2017年7月23日    第4主日礼拝

マタイによる福音書5章38~42節

宣教者:山本弘夫伝道主事

 まずキリストは、ユダヤ人の律法として「あなたがたも聞いているとおり『目には目を、歯には歯を』と命じられている。」と語ります。

これは、同態復讐法とか同害復讐法とか呼ばれています。古代バビロニアのハムラビ王が定めたハムラビ法典に書かれていて、この法典が書かれた石の板は今も残っております。

同様な内容がユダヤの律法にも書かれています。

これに対してキリストは「しかし私は言っておく」との前置きのもとに「悪人に手向かってはならない。だれかが右の頬を打つなら左の頬を向けなさい。あなたを訴えて下着を取ろうとする者には、上着をも取らせなさい。誰かが1ミリオン行かせようとするなら2ミリオン行きなさい。求めるものには与えなさい。あなたから借りようとする者に背を向けてはならない。」と語ります。

屈辱を受けても、大切な物を奪われても、労働を強制されても逆らうことなく受け入れよというキリストのこの戒めは、従うことの困難さを感じさせる言葉であります。しかしこの言葉から次のことが示されます。

一つ目は、キリストの徹底した平和の精神です。

二つ目は、「求める者には与えなさい。あなたから借りようとする者に背を向けてはならない。」という言葉から、物欲からの自由さ、隣人の必要を満たそうとする親切心と寛大さです。

三つ目は、神が私たちに求めておられる高い倫理水準です。この水準に対する自らのあまりの不足は、自らを謙遜へと導きます。いつもともにいて下さる神様への信仰と信頼なくしてはみ言葉に従うことはできません。そして神は従う者へ大きな祝福を用意していて下さいます。

 

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