夢見る人、新約のヨセフ

2021年12月12日(日) 第二主日・第三アドベント礼拝

宣教者 岡村直子牧師

マタイによる福音書 1章18〜25節

救い主イエス・キリストの到来を待ち望む待降節の第3週を迎えています。次週はいよいよクリスマス礼拝です。
神様は人間を、自由意志があるものとしてお造りになりました。人間は自由意志を用いてどうしようもなく的外れな生き方をして神に背き続けたのでした。神は、神と人間との良い関係、愛の関係をどのようにして築くことができるか、お考えになりました。そして神がどのような神であるのかを知らないから、人間は神に背くのだとお考えになったのでしょう。正しく神を現すことができる神と同格のイエスを、人間の世界に送ることを決断なさいました。神の子で救い主イエスがこの地上で活動する時期を迎えるまで、育てられる家族が必要でした。神が選んだのはマリアとヨセフという婚約しているカップルです。マタイによる福音書ではヨセフに神が働きかけたことが短く記されています。ヨセフに神は夢で言葉を与えました。時はヘロデ大王の時代。救い主として生まれたイエスの命が狙われる状況の中で、ヨセフは赤ちゃんイエスとイエスの母マリアを連れて、神の言葉に従って外国のエジプトに避難し、神の言葉に従ってまたパレスチナの故郷のガリラヤ地方のナザレに戻ってくるという命がけの大役を果たした人でした。聖書にはヨセフ自身の言葉はひと言もありません。黙して神の言葉に従ったヨセフです。正しい人であったと聖書に記されていますが、社会から罪人のレッテルを貼られて生きることになった人でもありました。律法を守る正しい人という意味ではなく、神の言葉に従った正しい人でした。ヨセフに関しては記述がないので聖書の言葉から想像するだけですが、
マリアとの間に少なくとも6人以上の子どもたちをもうけて、普通の父親としての幸いも味わった人だったことがわかります。主の祝福は色々なかたちで人に現れます。私たちもそれぞれに比べようの無い祝福の人生を、イエス・キリストをとおして神は導いておられます。

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