人の子は安息日の主

2020年2月23日(日)  第四主日主の晩餐礼拝

宣教者 山本弘夫伝道主事

マタイによる福音書12章1~8節

本日の箇所は「そのころある安息日にイエスは麦畑を通られた。弟子たちは空腹になったので、麦の穂を摘んで食べ始めた。ファリサイ派の人々がこれを見て、イエスに、御覧なさい。あなたの弟子たちは、安息日にしてはならないことをしている」と書かれています。
ここでは人の畑の麦を無断で食べる行為と、それが安息日だったということの二つが評価の対象です。このうち旅人などが人の畑の麦を無断で食べることはその場で食べる限り律法でも許されていました。
ところが、安息日に麦の穂を摘んで食べたということに関しては、そのなかに細かい安息日規定の違反が含まれているとしてファリサイ派から厳しい評価が下されます。
もともと安息日規定は、出エジプト記と申命記に書かれたモーゼの十戒の4番目の戒めです。それは、7日に1日は奴隷を含めて人間も、労役に使役される家畜もすべて休むという生きるものに対する配慮のある戒めでした。
それが、当時の宗教家たちによって多くの細かな禁止規定が付け加えられ、それによって人々の生活を不当に拘束し不自由を強いるものへと変質されておりました。イエスは安息日の趣旨を語り、正しいすがたを取り戻そうとしますが、ファリサイ派や律法学者などの既存の宗教家たちの反発を招くことになります。
神は何を望んでおられ、何を喜ばれるかという本来の目的、本質を忘れないようにしたいと思います。

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