2021年2月28日(日) 第四主日礼拝
宣教者 山本弘夫伝道主事
マタイによる福音書 14章13〜21節
本日の聖書箇所は、バプテスマのヨハネが領主ヘロデに殺されたとの報告がイエスに届き、イエスが舟にのってそこを去り、ひとり人里離れた所に退かれたところから始まります。群衆が救いを求めて方々の町から歩いてイエスの後を追います。イエスは舟から上がり、大勢の群衆を見て深く憐れみ、そのなかの病人をいやします。
夕方になり「群衆を解散させて自分で村に買い物に行かせよう」との弟子たちの提案に対し、イエスは「あなたがたが彼らに食べる物を与えなさい。」と語り、「ここにはパン五つと魚二匹しかありません。」と答える弟子からそれを受け取り、天を仰いで賛美の祈りを唱え、パンを裂いて弟子たちにお渡しになります。弟子たちがそれを群衆に配るとすべての人が食べて満腹します。そして残ったパンの屑を集めると、十二の籠にいっぱいになります。草の上に座った群衆は男だけで五千人ほどです。
この男だけでも五千人の草の上の会食と前回の領主ヘロデの誕生日の宴会を比較すると、イエスとともにあるつつましくも平和で恵み豊かな会食と、有力者が集まり贅沢ではあっても義人への殺人が行われたヘロデの残忍な宴会との差が際立ちます。
また、男だけでも五千人の会食の奇跡はイエスに託され群衆に食べ物を配った弟子の働きから生まれています。弟子は、イエスに用いられることで大きな良き働きができることが示されます。
イエスの言葉によって群衆のこころが変えられ、皆が自分の持つものを提供し、分けあったのでこのような奇跡が生まれたのではないかと解釈する人もいます。贅沢なヘロデの宴会よりも、つつましくとも平和(シャローム)なイエスの会食に招かれたいものです。