キリストはいつ生まれたか?

2021年12月19日(日) 第三主日・クリスマス礼拝

宣教者 高見龍介牧師

ルカによる福音書 1章78〜79節

クリスマスは、私たち人類の救い主である、イエス・キリストがお生まれになった日です。今から約2000年前、人類の歴史上にまぎれもなく実在したこのイエス・キリストは、いつお生まれになったのでしょうか? 12月25日でしょうか? いいえ!聖書をよく見ていただきたいのですが、イエス・キリストの生涯を記録した4つの福音書、そのいずれを見ましても、イエス様の誕生年月日は記されていないのです。では、クリスマスは一体いつから、どのような経緯で12月25日になったのでしょうか?
実はキリストの誕生日を12月25日にしたのは、紀元4世紀のローマ皇帝コンスタンティヌスなのです(彼はAD.313年にキリスト教を公認した皇帝です)。ではなぜ、彼は12月25日をキリストの誕生日にしたのでしょうか? その理由は2つあります。当時、ローマに広く流布していた宗教は「ミトラス教」(太陽神)でした。この太陽神の誕生日が12月25日(冬至)で、この日は太陽神の誕生を祝う祭りのために国中が休日になっていたのです。そこで、①救い主の誕生をお祝いするには、みんなが休める日がいいということで12月25日になったということなのです。さらに、②イエス・キリストなる神は「光の神」であるがゆえに、闇が最も深い日でありながらも、この日を境に徐々に光が増していく「冬至」こそが、彼の誕生日にふさわしいという理由で、12月25日に決まったということなのです。ですから、12月25日がキリストの正確な誕生日であるという証拠は全くないのです。現にロシア正教は1月6日にクリスマスをお祝いしていますし、ヤコブの星が現れた時期を天文学的に分析して、その日を4月とする学者や、羊の出産時期(羊飼いが寝ずの番をしていたのは出産のため)を考慮して、その日は春であったとする学者もいるくらいなのです。
いずれにせよ、本当の日付はよく分かりません。ですから、クリスマスとはキリストがあなたの心にお生まれになった日、お宿りになった日とすればよいのです。つまり、人それぞれにクリスマスの日は違っていていいのだと思います。キリストがあなたの心に住まわれた日。救われた日のこと。そして今もなお、キリストの愛があなたを包んでくださっていることを喜び感謝する日こそが、本当のクリスマスなのです。

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