2020年5月3日(日) 第一主日
準備者 山本弘夫伝道主事
使徒言行録 1章3節~11節
内容
ハレルヤ、主の御名を賛美いたします。
「聖書教育」の本日の箇所から聖書に聴きます。聖書教育は、本日から使徒言行録に入ります。
使徒言行録は、3番目の福音書であるルカによる福音書の続きとして書かれています。どちらもローマの高官であったのではないかと推測されるテオフィロ(神の友)宛てに書かれています。
ルカはユダヤ人ではなく、異邦人の医者であったようです。パウロと出会い、パウロの伝道に同行して働いたパウロの同労者です。
四つの福音書のうち、マタイ、マルコ、ヨハネでは、復活のイエスはガリラヤでイエスに現れます。
しかし、ルカによる福音書と使徒言行録では、復活のイエスは、エルサレムで現れます。
福音書はそれぞれの信仰共同体が言い伝えた事柄、そしてその共同体の思いがあり、それが文書化されたという要素もあると言われております。
使徒言行録のはじめの1から2節には、「テオフィロさま、わたしは先に第一巻を著して、イエスが行い、また教え始めてから、お選びになった使徒たちに聖霊を通して指図を与え、天に上げられた日までのすべてのことについて書き記しました。」としてイエス・キリストの誕生から昇天までのできごとが「ルカによる福音書」としてまとめられていることが述べられます。
それに続いて聖霊に導かれた使徒たちの伝道の働きを語るのが使徒言行録です。
本日の聖書箇所は、まず1章の3節から5節です。3節からは、「3イエスは苦難を受けた後、御自分が生きていることを、数多くの証拠をもって使徒たちに示し、四十日にわたって彼らに現れ、神の国について話された。4そして、彼らと食事を共にしていたとき、こう命じられた。『エルサレムを離れず、前にわたしから聞いた、父に約束されたものを待ちなさい。5ヨハネは水でバプテスマを授けたが、あなたがたは間もなく聖霊によるバプテスマを授けられるからである。』」です。
復活のイエスは、弟子たちに40日間にわたって現れたと書かれています。そして神の国について話したと記述されます。
イエスキリストというできごとは、神からの啓示であると信じられています。
そしてイエスの目的は、私たちの罪の身代わりに十字架上で死んで私たちと神との和解と平和をなしとげて下さったことです。
そしてイエスの同じく大切な目的は、神の国を宣べ伝えることです。神の国とは何でしょうか。主の祈りでは、「御国を来たらせたまえ」と祈ります。御国とは神の国のことです。続いて「御こころの天になるごとく地にもなさせたまえ」と祈ります。これは同じ意味内容を重ねて表現したものと解釈されています。
とすると、天で行われている神様の御こころが、この地上でも行われることが神の国であることになります。
神の御こころが行われる場所が神の国です。
遠い未来のどこか遠くに思い描く究極的な神の国もあります。
しかし神の国は、同時に今ここにあります。イエスにおいて神の御こころを行おうとするときその場所に神の国が出現していることになります。神と共にある状態、神の祝福を受けている状態が神の国であります。
次に6節から「6さて、使徒たちは集まって、『主よ、イスラエルのために国を立て直してくださるのは、この時ですか』と尋ねた。7イエスは言われた。『父が御自分の権威をもってお定めになった時や時期は、あなたがたの知る所ではない』」です。
弟子たちにはこの世の国イスラエルの再建が願いであり、神の国をその願いに重ねていたようです。この時点ではイエスの説く神の国は、正しく理解されていません。
8節からは、「8あなたがたの上に聖霊が降ると、あなたがたは力を受ける。そして、エルサレムばかりでなく、ユダヤとサマリヤの全土で、また、地の果てに至るまで、わたしの証人となる。」です。
イエスは「あなたがたの上に聖霊が降ると、あなたがたは力を受ける。」と語りますが、この言葉は、4節、5節の「エルサレムを離れず、前にわたしから聞いた、父の約束されたものを待ちなさい。ヨハネは水でバプテスマを授けたが、あなたがたは間もなく聖霊によるバプテスマを授けられるからである。」に対応します。聖霊が降るまでは待ちなさいと語られます。自分の思いだけで出て行ってはいけないのです。聖霊が降り力を受けてから出て行くのです。そして出て行く先は、エルサレムばかりでなく、ユダヤとサマリヤの全土、さらに地の果てです。聖霊はそれだけの力を与えてくださると言うのです。それは、神の国を伝えるためであり、イエスの証人となるためです。
9節から11節は「9こう話し終わると、イエスは彼らが見ているうちに天に上げられたが、雲に覆われて彼らの目から見えなくなった。10イエスが離れ去って行かれるとき、彼らは天を見つめていた。すると、白い服を着た二人の人がそばに立って、11言った。「ガリラヤの人たち、なぜ天を見上げて立っているのか。あなたがたから離れて天にあげられたイエスは、天に行かれるのをあなたがたが見たのと同じ有様で、またおいでになる。」です。
40日の間弟子たちに現れたイエスは、弟子たちの見守るなか天に上げられます。
白い服を着た二人の天使がそばに立ちイエスが同じ有様でまたおいでになると告げます。
イエスの再臨の意味、時期、形は神様が決めることですから私たちにはわかりません。私たちは再臨については神様のことがらとして神様に委ね、毎日をただイエスとつながって生きることが大切です。
神様には神様の大きなご計画があります。
私たちは、そのご計画がどのようなものであるかを謙遜に祈り求め、神様と共にあってその実現に向けて仕えて行きたいと思います。
祈ります。 ・・・・・