2022年1月2日(日) 第一主日礼拝
宣教者 岡村直子牧師
マルコによる福音書 5章1〜20節
2022年が始まりました。あけましておめでとうございます。キリスト教会はイエス・キリストを救い主と信じて、祈り続ける共同体です。今年もイエス・キリストにあらわされる神を知って、信じて、従うために聖書の言葉に聞く一年でありますように。
マルコによる福音書は4章まで読んでおりましたので今日は5章からです。驚くような救いの出来事がイエスによって起こされました。
恐いところ、気味の悪いところ、危害を加えられるかもしれない危険がある所には、誰も行きたくないですが、イエスの弟子たちはイエスに従って、そのような場所に舟で嵐に見舞われながら到着しました。そこはユダヤ人から見れば異邦人と呼ばれた多神教の人々が住んでいる地方でした。汚れた霊に取りつかれた人がイエスの前に現れ、イエスとこの人との対話、というよりもこの人の中に住む悪霊たちとの対話が始まります。イエスを神の子と知る悪霊たちは、イエスを怖れ、この人から豚の中に乗り移らせてほしいと願い、イエスはそれをゆるします。すると二千匹もの豚の群れが湖に駆けくだって溺れて死んでしまいました。
一人の人が縛られていた心の鎖から解放されて、神によって救われる素晴らしい出来事の陰に、豚がたくさん死にました。神が命ある豚を見殺しにするのか? 豚が死んだことで人々の生活を支える経済は大丈夫なのか? 色々疑問に起こるかもしれません。神は決してそれらの命を軽んじたわけではないでしょう。しかし、神は神の似姿に造られた一人の人間をその苦しみから救うことを何よりも重視されるのです。この人はイエスに従って着いて行きたいと願いましたが、イエスはそれを許しませんでした。その意味も考えてみたいと思います。神はいつもその人の最善へと導かれます。そしてその人を神の栄光を現す器として用いてくださるのです。