素晴らしい関係

2019年3月24日   第四主日礼拝

ヨハネによる福音書13章1~8節

宣教者:吉高叶先生(日本バプテスト連盟常務理事)

「あなたは、自分が自分であることの揺るぎなさを、何によって支えられていますか?」こう問われたとき、「他者の存在」が解答になるかどうかがとても大切です。自分を活かし、導き、影響し、支えてくれた他者の存在、これを「関係の履歴」と呼ぶことができますし、自分を招き、自分を求め、その人(たち)のために「○○したい」と思える他者の存在、これを「関係の使命」と呼ぶことができます。

人間にとって、自分を支えているのは自分ではありません。他者との「関係の履歴」であり「関係の使命」です。しかも、最近はやりのネット上のバーチャルな関係ではなく、代替不可能(入れ替えのできない)な関係こそが重要です。

教会での信仰経験が何にも増してありがたいのは、そこでは皆が自分のことを代替不可能な他者として扱ってくれたという豊かな関係の履歴があるからです。そして何よりも、私の命を創造し、無比の存在として独り子を賜うほどに愛してくださった主なる神(この絶大なる他者との決定的な関係の履歴)を知り、賛美する場であるからです。

教会の伝道とは、この決定的な関係の履歴を手にしていただくために、その人に、私が関係していこうとすること、であります。もちろん、教会の結ぼうとする関係は、代替不可能な関係です。「誰でも良かった」のではなく「あなたでなければならなかった」関係です。だからこそ、誰に語りかけても同じ言葉で会話をしない。相手が誰でも同じ事を言うような「聖書メッセージ」をしない。いつも関係の中で言葉を生み出して生きていくのです。決まっている言葉でなく、対話的な言葉によって、共につくられる。それが教会という集団の素晴らしい特徴です。

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