敵を愛しなさい

2017年8月6日  第一主日礼拝

マタイによる福音書5章43~48節

宣教者:山本弘夫伝道主事

 キリストがこれまでの律法の定めに対して、「しかし私は言っておく」と前置きし新しい解釈を語ります。

同じ形式で六つのことを語りますが、本日はその最後の六つ目です。

「隣人を愛し敵を憎め」と伝えられてきたこれまでの律法に対し、「敵を愛し迫害する者のために祈りなさい」と語られます。

ギリシャ語で愛を意味する言葉は四つありますが、ここで語られる愛は、アガペーという言葉で表現される愛です。

アガペーの愛は、自然に生じてくる愛ではなく、自らの意志による愛です。自らの感情を克服して実践するくじけることの無い愛です。

「自分を迫害するもののために祈りなさい」と書かれていますが、そのように祈るとき、その人への感情が変化することを感じることができます。

「あなたがたの天の父が完全であられるように、あなたがたも完全なものになりなさい。」と語られますが、この完全とはなんでしょうか。

ギリシャ語でのこの完全という言葉(テライオス)は、完全無欠で完璧という意味ではなく、それが造られ存在する目的としての本来の機能を果たすという意味であります。

創世記1章に人間は神にかたどって創造されたと書かれております。

人間は、神の御心を行って生きること(アガペーの愛をもって生きること)が神から求められている機能、生き方ではないでしょうか。

本日の聖書の言葉は実行することは簡単なこととは思えません。

神を信じ信頼しゆだね、共にいて下さる神の力(聖霊の力)をいただくことではじめて実行することができるのがアガペーの愛であります。

 

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