“わたしに従いなさい”の不思議

2021年3月7日(日) 第一主日礼拝

宣教者 岡村直子牧師

マルコによる福音書 2章13〜17節

今日で終わるはずだった緊急事態宣言が延期になりましたが、今まで養われてきた忍耐に磨きをかけて、救い主キリストにある希望でしっかり生活していくことができますように。今週は3月11日の東日本大震災から10周年を迎えますので、礼拝の中で東日本大震災現地支援委員会が作成して全国に送った祈りの言葉を読みながら祈りたいと思います。さて、マルコによる福音書に今日登場するのは、レビという徴税人です。その当時の社会において、人々から最も嫌われていたのが徴税人だったと言えます。徴税人は、支配者のローマ帝国のために税金を集め、私腹を肥やす金持ちであり、民族を裏切る人として罪人同様に差別されていました。しかしそのような人をイエスは心に留めてイエスの方から言葉をかけるのです。イエスが彼を見かけて、「わたしに従いなさい」と招いたのでした。驚いたことに、その言葉に彼は立ち上がってイエスに従ったのです。それまでの仕事にもう戻ることはできないでしょうし、まさに一切を置いて、イエスについていったのでした。
レビ主催の食事の席で、律法学者たちはレビや他の罪人と呼ばれた人々と共に堂々と食事をしていたイエスを批判します。イエスは言われます。「…わたしが来たのは、正しい人を招くためではなく、罪人を招くためである。」イエスの言葉とその行動は、人間が作り出す差別を批判しているのです。
イエスの招きとイエスの言葉は今に至るまで生きた言葉として私たちに迫ります。「わたしに従いなさい」と今も呼びかけておられるイエスです。この言葉に従ったレビのように、わたしたち一人一人もまた、イエスの招きに応えて従います。これが教会です。イエスが招いた人を、イエスのグループの人々もはじめは、えっ!こんな人を仲間に入れるのですか?という思いになったのではないかと推測できます。この箇所は、自分も立派だから招かれたわけではないということを、思い起こさせます。毎週の礼拝の中で、「わたしに従いなさい」というイエスの言葉を聞いて新たな決意をしながら生活していくことができますように。

コメントは利用できません。