
2018年1月7日 第一主日礼拝
マルコによる福音書1章1~15節
宣教者:富田愛世
【イエスの時代】
1節から読みましたが、今回は14~15節を中心に見ていきたいと思います。この短い二節は福音書の中でとても重要な位置を占めています。ここから新しい時代が幕開けることになるのです。そして、その新しい時代の主役こそ、主イエスであり、その舞台となる場所は、エルサレムという中心ではなく、ガリラヤという辺境、人々から忘れられたような場所なのです。しかし、そこから神の福音が拡がるのです。
【時は満ち】
イエスの語られる福音は15節にある3つの言葉に凝縮されます。時は満ちたとイエスが語られる時、ユダヤ人は特別な思いをもって聞いたはずです。それは、イザヤをはじめとする預言者たちが語り、人々が待ち望んだ、救いの時の訪れを宣言した言葉なのです。そして、救いの訪れとは律法の終焉でもあるのです。今や新しい時代が始まるのです。律法に逆戻りしてはいけません。
【神の国は近づいた】
新しい時代とは、神の国と共に訪れるのです。神の国は近づきつつあるのではなく、近づいたと宣言されるのです。イエスがキリストとしてご自身を現わしたこの時に、すでに神の国はイエスと共に私たちの只中にあるのです。
【福音を信じなさい】
「悔い改めて福音を信じなさい」との言葉に対して、悔い改めなければ救われないという誤解をすることがあります。第一の誤解は道徳的に捉える誤解です。悔い改めとは神へと方向転換することです。第二の誤解は福音を信じる事と救いは別の事柄であるという事です。人は救われなければ、悔い改め、つまり神へと方向転換することはできません。そして、救われた者でなければ、新しい価値観に生き、福音を信じることはできないのです。福音を信じるとは、福音を生きることです。つまり、この世の価値観における愚かさから、解放されることなのです。